あなたは、本当に高血圧の患者ですか?

前回の記事(2019年6月10日)では、血圧を下げるためには、心臓や腎臓の機能を調節するのではなく、脳機能を改善することが重要であるいうことを書きました。さらに、現在の食生活で摂取している塩分量であれば、血圧に影響はないということも書きました。

今回の記事では、前回の記事を補足する様な内容であり、本当の高血圧患者はどのくらい居るのか?を考察する内容です。

現在、高血圧の患者数はどのくらいいるのでしょうか。
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厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によると、高血圧性疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は1,010万8,000人と、前回の調査に比べて約104万人増加しました。
性別にみると、男性445万人、女性567万6,000人で、前回調査に比べて男性が63万人、女性が42万人の増加となりました。
推計患者数(この調査を行った日に全国の医療機関で治療を受けたと推測される患者数)をみると、外来が67万1,400人に対して入院は6,400人という結果でした。
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厚生労働省の平成26年の調査によると、3年間で高血圧の患者が約104万人増加したとのこと。年度は違いますが、以下のグラフをみるとほかの疾病と比較しても、高血圧の患者が群を抜いて多いことがわかります。
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ネット上で高血圧患者数について検索すると、多くの方々が「高血圧の基準値を下げることで、高血圧の患者数を増やしている。」という情報を発信しています。
それは紛れも無く事実であると思われます。

現在の高血圧の基準値をみると、65歳未満の成人または合併症のない75歳以上で収縮期血圧(最高血圧)140mmHg/拡張期血圧(最低血圧)90mmHg未満、合併症のない75歳未満の最高血圧130mmHg/最低血圧80mmHg未満となっています。

しかしながら、平成26年の平均収縮期血圧値を見てみると、その基準値は低いのではないかと思わされます。
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収縮期(最高)血圧の平均値は、男性 135.3mmHg、女性 128.7mmHg である。この 10 年間で みると、男女ともに有意に低下している。また、収縮期(最高)血圧が 140mmHg 以上の者の割合 は、男性 36.2%、女性 26.8%である。この 10 年間でみると、男女ともに有意に低下している。
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しかも、上記の平均値は薬物治療をしている人も含まれるので、実際にはもっと平均値が高くなることが予想されます。
さらに、血圧は日内変動(時間ごとによって、血圧の値が変わる)することが知られています。
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収縮期血圧では、睡眠時の一番低い時と日中のストレス時を比較すると、約50mmHgの差が見られます。さらに、起床時と比較しても約30mmHgの差があり、日中でも約20mmHgの差が見られます(血圧の差にも個人差はありますが)。また、食事、ストレスや入浴などの要因によってすぐに変動することもわかります。ほかにも運動は勿論ですが、トイレや背中を叩かれるなどの要因でも血圧は上がるという知見もあります。
すなわち、血圧というのは、1日中変動し、その変動は個人差があり、さらに、さまざまな内的要因と外的要因によって変動する数値であることが分かります。

したがって、現状の高血圧の基準値が低いという議論の以前に、基準値を140/90mmHgなどと一定の数値として定めること自体がナンセンスだと思います(基準が基準として機能していない。)。

では、血圧の基準はどうすれば良いのか?
それは、血圧を上げる要因を取り除いた時に1日中測定した血圧が、その人の基準血圧と言えるのではないでしょうか。

それでは、血圧を上げる要因は、どの様なものがあるのでしょうか?
Wikipediaで「高血圧」の原因を見てみると、たくさんの要因が列挙されています。
この中で、ほかの知見でも多く指摘されており、かつ、恒常的に血圧を上げる要因について列挙してみると、ストレス、喫煙、肥満(運動不足)、飲酒、塩分の過剰摂取が挙げられます。塩分の過剰摂取については、現状の食生活における塩分摂取量であれば問題ないことを、前回の記事で考察したので、興味のある方は参考にしてください。

それでは、それぞれの要因が、何故、血圧を上げるのかを考察してみましょう。

まず、ストレスです。
ストレスが脳機能障害を誘発すること、さらに、ストレスが自律神経失調症(交感神経と 副交感神経のバランスが崩れる状態。病名ではありません。詳細はこちらをどうぞ。)の原因になることは周知の通りだと思います。ストレスと脳機能に関する知見も報告されています(例えばこちら)。
一般的に、ストレスに晒され自律神経が乱れると、交感神経が優位になる事が多いです。そうなると、心臓の機能が亢進し、血管が収縮するので、結果的に血圧は上昇することになります。

自律神経の乱れは、肉体的な症状のみならず、精神的な症状、例えば、不安、不眠、イライラ、情緒不安定、落ち込みなどの症状も誘発します。
なので、ストレスを解消しようと、飲酒、喫煙、過食、快楽(淫乱物や異性の罪など)、享楽(テレビ、ゲーム、パチンコ、競馬、競輪、競艇、漫画、映画など)、夜更かしなどのいずれか、または、複数のことに明け暮れる人達が多くなります。もっと自律神経が乱れたりすれば、向精神薬に依存する方もいると思います。

しかしながら、現状に溢れているストレス解消法は、ストレスを一時的に忘れる、または、感じなくさせる方法が多く、ストレスを根本的に無くす事は出来ません。
寧ろ、一般的なストレス解消法を行えば、行うほど、ストレスは知らず知らずのうちに溜まることになります。

私も不安、心配、悩みが多く、飲酒、夜更かし、享楽(テレビ、ゲーム、映画、漫画)といった間違ったストレス解消法にのめり込んでいました。勿論、ストレスは解消されることはなく、日に日に大きくなっていくのを感じ、どうしてストレスは発散されないのだろうと真剣に悩んでいました。

結局、自分の経験を元にすると、ストレスを根本的に解消する方法は、「信仰」のみであることを悟りました。信仰を持つことによって、ストレスに対する考え方も変わりました。
「信仰」によって、ストレスに対する考え方が変化することを伝えた記事は以下になります。
〈第104弾〉誰でも世界を変えられる。

さらに、「信仰」によってのみ、ストレスを解消できるという事を科学的に伝えた記事は、以下になります。
〈第112弾〉現代科学の知識はどこまで本当か。

さらに、「信仰」を持つことでストレスが解消され、人生が変わった方の証しが以下の記事になります。
RAPTブログ読者の証言〈VOL.15〉会社の奴隷として働き、ストレスばかりを溜めて地獄のような生を生きていた30代男性。

現代のストレス解消法は、ストレスを解消出来ず、ストレスを蓄積する方法であることを、もう一度伝えておきます。

次に、喫煙や飲酒が、血圧を上げる要因になることを考察してみましょう。

まずは、喫煙が血圧を上げるとされる一般的な理由を見てみましょう。
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たばこで血管が錆びる!

たばこの煙には多くの物質が含まれており、循環器への影響は主にニコチンや一酸化炭素によるものです。たばこを吸うと、ニコチンが交感神経系を刺激するために、血圧が上がり、脈拍が増えます。
(中略)
さらに一酸化炭素の増加で血液中の酸素が不足気味になります。日々、一服吸うごとに、心臓にわざわざ負担をかけているようなものです。
血管の内側は内皮細胞と呼ばれる細胞に覆われ、血管や血液の機能を保つのに重要な役割を果たしています。
ところが、たばこに含まれる酸化物質は内皮細胞にダメージを与え、血管収縮や血液凝固、動脈硬化をもたらすように働きますから、この影響も大きいのです。

金属が酸化して錆びるように、血管は酸化物質によって錆びるといえるでしょう。

コレステロールへの影響はどうでしょうか?喫煙は酒の場合と逆で、HDLコレステロールを減少させ、動脈硬化を促す酸化LDLコレステロールを増加させますから、いいことは見当たりません。
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ここでは、喫煙は心臓や血管に影響を与えることで、血圧に影響を与えると説明しています。

次に、飲酒が血圧を上げるとされる一般的な理由を見てみましょう。
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高血圧との関係

アルコールは血圧を一時的に下げることもありますが、長い間、飲み続けると、血圧を上げ、高血圧症の原因になると考えられています。多くの研究で、日々の飲酒量が多いほど血圧の平均値が上がって、高血圧症になるリスクも高まることがはっきりしてきました。
(中略)

「日本酒1合、ビール大瓶1本、ウイスキーシングル2杯、ワイン2杯」のそれぞれに含まれるアルコールは、約30ミリ・リットルですが、これまでの研究をまとめますと、アルコール1日30ミリ・リットルあたり、血圧は3ミリほど上がることが認められています。

こうした飲酒による血圧の上昇は、人種や、アルコール飲料の種類にかかわりなく認められていますから、あの酒だと影響が少ないといったことはありません。

アルコールで血圧が上がる理由については、血管の収縮反応が高まるほか、心臓の拍動を速める交感神経の活動腎臓からマグネシウムやカルシウムが失われるため、などと考えられています。アルコール飲料に含まれるカロリーにより体重が増えることや、塩辛いつまみをとることも関係するでしょう。
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やはり、飲酒も心臓や血管に影響を与えることで、血圧に影響を与えると説明されるようです。

しかも、腎臓以降の説明は、かなり曖昧というか、いい加減に表現されていて良く分かりません。

『腎臓からマグネシウムやカルシウムが失われる』という内容は、以下の記事の内容と相関していません。
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マグネシウムは血圧に直接的に影響することはありません。しかしマグネシウムには血管を収縮させるカルシウムと密接な関わりがあります。マグネシウムはカルシウムが血管を収縮させるはたらきを抑制し、血圧を正常に保つ役目があります。そのためその役目を果たすマグネシウムが不足してしまうと、高血圧を引き起こす1つの原因となります。
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そうかといえば、マグネシウムとカルシウムの相関について、別の見方もあるようです。
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カルシウム不足は危険

カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンやプロビタミンDが分泌され、これが心臓や血管を収縮させて血圧が上昇します。高血圧になりやすい人には、カルシウムの吸収や調節の機能がよくない人も多いので、カルシウム不足にならないように心がけることが大切です。
カルシウムの吸収率が高いのは牛乳や小魚類です。日本人の食生活では、カルシウムが不足しがちなので、意識的にきちんととることが大切です。
また、マグネシウムは、カルシウムの吸収を助けるので、ナッツ類や豆類なども一緒にとりましょう。
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上記の2つの記事を比較すると、カルシウムは血圧を上げるのか下げるのか、良く分かりません。
カルシウム不足は危険と言いながら、血圧を下げる薬には、カルシウム拮抗薬と呼ばれる薬が存在します。
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カルシウムは主に骨や歯に分布し体を支えていますが、それ以外の組織にも微量に存在し筋肉を縮める働きがあります。 カルシウム拮抗薬は血管の筋肉に対するカルシウムの働きを抑えることで、血管をひろげ血圧を下げる効果があります。特に心臓の血管(冠動脈)に作用すると、心臓への血液の量が増えるため、狭心症の発作を予防する効果があります。また、血管がけいれんするタイプの狭心症にも用いられます。
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まあ、取り敢えず、カルシウムにしても血圧との関係については、医学的に良くわかっていないようです。

話を戻しますが、『アルコール飲料に含まれるカロリー』とは、どのような原材料を指すのか分かりませんが、多分カロリーが高いから体重が増えて、肥満に近づくから血圧が上がるといいたいのでしょう。
さらに、『塩辛いつまみ』については、つまみを摂ると塩分過剰摂取になるから、血圧が上がるといいたいのでしょう。しかし、現在の食生活における塩分摂取量では、高血圧の要因にならない事は当ブログで伝えております。なので、高血圧の方は、もっと塩分摂取量以外の要因を考慮すべきです。

実際、減塩はあまり血圧低下の影響が少ない様です。
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減塩による血圧を下げる効果は、1日に6~8g減らすと、高血圧患者の約20%の血圧は下がりますが、残りの約80%の血圧には変化が殆どありません。これは、塩分に反応し易い食塩感受性タイプか、逆に反応し難い食塩非感受性タイプかによって左右されます。しかし、減塩による血圧の低下の効果が無い食塩非感受性タイプであったとしても減塩をする必要はあります。
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1日に6~8g減塩しても、8割の人の血圧には効果がないようです。さらに、血圧が下がった2割の方もどのくらい下がったのか示されていません。
以下の記事から予想すると、それほど下がっていないと思われます。
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塩分を1g減らすことで血圧を1mmHg程度下げることができるといわれています。
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しかも、過度の減塩は、体に悪影響を及ぼします。以下の記事を参考にしてください。

あなたの健康法、本当に大丈夫?「減塩」「糖質制限」は超危険!その意外な真実とは。

話が大きく逸れましたが、結局のところ、喫煙や飲酒をすると、心臓や血管に影響を与えて、血圧が上昇するという結論が多いようです。

ここではさらに、喫煙や飲酒によって、体の酸素が消費され酸素不足となり、脳機能にも影響を及ぼすことが血圧を上げる原因であることも付け加えます。以下の記事を参考にしてください。

「健康になりたいあなたへ」試す価値あり!超カンタン「酸素」吸うだけ健康法。

継続的な酸素不足によって、脳機能が障害され、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れて、血圧調整が困難となり、血圧が上昇するということです。

もちろん、飲酒によって肥満になるなどの二次的な要因も考えられます。
まず、飲酒によってどのように肥満になるのかを見てみましょう。
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体内でのアルコールの変化

口から入ったアルコールは胃から20%、小腸から80%が吸収され、その大部分が肝臓で処理されます。
肝臓内では、まず、ADH(アルコール脱水素酵素)やMEOS(ミクロゾームエタノール酸化系)により分解され、悪酔いや頭痛、動悸の原因ともなるアセトアルデヒドになります。さらに、肝臓内のALDH(アルデヒド脱水素酵素)により、酢酸へと分解されます。この酢酸は血液により全身へめぐり、水と二酸化炭素に分解され、汗や尿、呼気中に含まれて外へ排出されます。
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まず、エタノールは肝臓で酢酸にまで代謝された後、脂肪酸(中性脂肪)の原料であるアセチルCoAという物質に代謝されます。
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アセチルCoAの由来

1.ピルビン酸デヒドロゲナーゼによる(グルコースの異化、解糖系由来)
2.β酸化による(脂肪酸の異化)
3.ケトン体由来(末梢組織)
4.ケト原性アミノ酸由来(アミノ酸の異化に伴い生じる)
5.アセチルCoAシンテターゼ(EC6.2.1.1)の反応(酢酸とCoAの縮合)
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酢酸とCoAから出来たアセチルCoAは、脂肪酸(中性脂肪)の原料となります。
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肝臓の働きと、アルコールの影響

肝臓は、栄養分などを取り込んで体に必要な成分に換えるという、「代謝」の働きをもった重要な臓器です。また、不要な物質を解毒したり胆汁に排泄する働きもしています。
ところが、アルコールを大量に飲み続けると、肝臓での中性脂肪の合成が高まり、その結果、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態の脂肪肝になります。さらに飲酒を長期間続けると、 肝臓に線維が形成されて肝線維症や肝硬変となったり、肝細胞が急激に破壊されてアルコール性肝炎になる場合があります。
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すなわち、飲酒が習慣になっている人は、肥満街道へまっしぐらということになります。これを裏付ける知見が、もう一つあります。
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アルコール代謝中は、脂肪の燃焼が阻害される

浅部先生は、大量のアルコール摂取が脂肪肝につながる理由は2つあると解説してくれた。

「まず、アルコールは中性脂肪の材料になるんです。肝臓に運ばれたエタノールは、アルコール脱水素酵素(ADH1B)によって、まずアセトアルデヒドになり、次にアルデヒド脱水素酵素によって酢酸となります。その後アセチルCoAを経て、最終的にエネルギーを生むとともに脂肪酸を生成します。この脂肪酸こそが中性脂肪のもととなるのです」 

「もう1つの理由は、アルコールが肝臓で代謝されている間は脂肪の燃焼が阻害されるからです。普段、私たちのカラダは脂肪酸を「β(ベータ)酸化」によって代謝しています。β酸化とは脂肪酸を酸化して、最終的に細胞が必要とするエネルギー源を生成するプロセスのことです。しかし、アルコールが肝臓で代謝されている間はβ酸化が抑制されてしまうため、脂肪が燃焼されにくくなります。代謝されない過剰な脂肪酸は肝臓に蓄積されやすくなります。そのためお酒好きの方は脂肪肝になりやすいのです」(浅部先生)
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なんと、飲酒によって中性脂肪が合成されるだけでなく、飲酒によって中性脂肪の分解が抑制されてしまうのです。
多くの人達は、飲酒時に嗜むおつまみのカロリーが高いことや、飲酒による食欲亢進作用に伴う過食によって、肥満の危険性が増加することを伝えており、お酒単独では高カロリー摂取にならないから問題ないと伝えています。
しかしながら、アルコールが体内の中性脂肪を増加し、体内に蓄積させる直接の要因になるということを伝える人はあまりいません。お酒単独でも肥満になるということです。

さらに、脳が糖代謝やエネルギー代謝の調節に関与していることを裏付ける知見も報告されています。(生物学の知識がある方は、こちらの知見や研究室HPをどうぞ.。)。
ということは、飲酒によって脳機能が障害されると、中性脂肪の代謝にも影響し、肥満度を促進させてしまうのでは?、と容易に想像できますね。

では、最後に肥満と血圧について考察してみます。

まず、肥満の定義を見てみましょう。
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肥満の目安となるBMI(体格指数)は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。性別にかかわらず、BMI18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と判定されます。日本人の成人でBMI35以上の高度な肥満は、0.2~0.3%といわれています。欧米と比べると少ないですが、男子大学生を対象とした調査では0.3~0.66%がBMI35以上という報告があり、体重が100kgを超えている人も珍しくなくなってきました。今後、このような肥満度の高い人が増えてくる可能性があるため、新しい診断基準ではBMI35以上が「高度肥満」と定義され、診断や治療の対象と位置づけられました。
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肥満の目安は、BMIという指数があり、身長と体重から求められるようです。体重には、中性脂肪だけでなく、筋肉も含まれるので、BMIという指数は肥満の目安としてはかなり曖昧な数値だと感じます。ここでは、BMIが高く、筋肉が少なく、中性脂肪が極端に多い人を肥満とします。

では、肥満の人が高血圧になる理由を見てみましょう。
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肥満者は正常体重者と比べ、約2~3倍多く高血圧症にかかります。
肥満の人は過食のために、塩分も摂りすぎることから、体内にナトリウムが過剰になっていると考えられます。また肥満になると過剰に分泌されたインスリンの働きによって、腎尿細管でのナトリウムの再吸収が亢進するため、さらに血液中のナトリウムが増加します。すると、それを薄めようと血管内に水分が流動し、全体の血液量が増えることで血圧が上昇します。
また肥満者は、過食や過剰に分泌されたインスリンのために交感神経系が刺激され、血中にカテコールアミンが放出されます。カテコールアミンは末梢血管を収縮させる働きがあるため、血圧が上昇します。
加えて、肥大した脂肪細胞から分泌されるアンギオテンシノーゲンという生理活性物質が血管を収縮する働きがあるため、血圧上昇へとつながります。
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1. 肥満の人は、過食や塩分の過剰摂取により、血管内の血液量が標準体重の人より多いから、血圧が高い。
2. 肥満の人は、交感神経が活性化しやすいので、血圧が上昇しやすい。
3. 肥満の人は、血管を収縮させる物質を分泌する脂肪細胞が多いため、血圧が高い。

さらに、2011年に肥満と「交感神経を活性化させて血圧を上げる」関係を報告した知見があります。
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交感神経が活性化すると血圧が上昇し、肥満の人では交感神経が活性化しやすい傾向があることは、これまでも分かっていた。

研究グループは以前の研究で、肝臓に脂肪が蓄積したときに出る神経信号が、過食時に交感神経活動を高め、代謝を活発にすることを発見。肝臓がエネルギー蓄積のセンサーとして働き、体重をすぐに増えないようにしていることを解明していた。
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肥満と血圧上昇にも交感神経が関わっており、やはり肥満者の血圧コントロールでも脳機能は大事なようです。

さらに、ここでも肥満者の血圧は、過食による塩分摂取量の増加ということも原因に挙げられています。なので、これについても考察してみましょう。
結局のところ、塩分摂取量が多いと血液のナトリウム濃度が高くなり、その濃度を薄めるために血液量が多くなり、血圧が高くなるという理由のようです。

それでは、標準体重者と肥満者で血液量に違いがあるのかを見てみましょう。
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私たちの体の約60%は水分(体液)です。たとえば,体重60kgの人なら,約36Lが体液ということになります。しかし,水は主に筋肉に含まれ,脂肪にはないので,年齢・肥満度により体液量の割合が変化します。たとえば,女性は男性と比べ体重に占める脂肪の割合が多いので,水分量は男性に比べ少ないわけです(表3)。また,子どもの水分量は多く,老人は少ない。子どもはまさに「みずみずしい」のですね。このように水が多いのは,ヒトに限ったことではありません。リンゴは85%,魚は75%,クラゲなどは95%が水だそうです。それだけ水は生物にとって大事だということですね。

水は半透膜である細胞膜を,溶質が形成する浸透圧勾配に従い通過・移動し,膜の両側の浸透圧(溶質量÷体液量)を等しく保っています。細胞内の溶質は細胞外の溶質の2倍存在するので,水の量も細胞内液(intracellular fluid;ICF)は細胞外液(extracellular fluid;ECF)の2倍存在します。つまり,体液の約2/3は細胞内液で,残り約1/3が細胞外液です。細胞外液のうち,約1/4〜1/3が血管内(血漿)に存在し,残りは間質に組織間液(interstitial fluid;ISF)として存在します。
体重60kgの人を例にとりましょう。体重の6割に当たる総体液量36Lのうち,細胞内液量はその2/3である24L,細胞外液量は1/3の12Lです。さらに,細胞外液の約1/4〜1/3が血管内ですから,血漿量は3〜4Lです(図2)。

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さらに、細胞内液と細胞外液の割合も、BMIの程度で変化するようです。
ーーーーー(引用はここから)ーーーーーーーーーーーーーーーーー

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標準体重の成人男性の細胞外液は総体液量の20%であるのに対して、肥満者の細胞外液は25%です(この体液量も人によって違うので、かなり曖昧な値なのでしょうか。)。

さらに、2017年成人男子の平均身長は、171cmで、平均体重68kgのようです(情報元はここから)。
肥満者はBMI25以上なので、身長171cm、BMI25とすると、体重は73kgとなります。
さらに、BMIが22前後が病気になりにくい値だといわれているので、身長171cmで、BMI22の成人男性の体重は64kgとなります。

それでは、体液量を計算してみましょう。
標準体重の成人男性の体重は68kgなので、総体液量は68kg×0.6=40.8L(1g=1mL換算)。細胞外液量は40.8L➗3=13.6L、したがって、血液量は13.6L➗4=3.4Lとなります。
BMI25の軽度肥満者の体重は73kgなので、総体液量は73kg×0.5=36.5L。細胞外液量は、36.5L➗2=18.25L、したがって、血液量は18.25L➗4=4.5625L=約4.6Lとなります。
したがって、軽度肥満者の血液量は、標準体重の成人男性より約1.2L多い計算になります。1.2Lの血液に含まれるナトリウムは、1.2L×0.9%(g/100mL)=10.8gとなります。
これを単純に塩分量と考えるなら、食塩1gの減塩で1mmHgの血圧が下がることを考慮すると、10.8mmHgほど肥満者は血圧が高いことになります。
当記事より、平成26年度の収縮期(最高)血圧の平均値は、男性 135.3mmHg、女性 128.7mmHg なので、この平均値に10.8mmHgを足すと、男性は146.5mmHgとなり、一気に高血圧の基準値を超えます。

しかしながら、ここで一つ疑問が生じます。
肥満者が筋トレをして身体が引き締まったとしても、筋肉は脂肪より約0.2g重い(情報元はここから)ので、筋トレをやり過ぎると肥満体型時の体重よりも増えてしまい、体液量が多くなり、血圧が上がるのはないかと。

実際に、ボディービルダーは高血圧の人が多いようです。さらに、継続的な筋肉トレーニングが心室肥大を起こし、動脈緩衝機能の低下により、血圧が上がり易い状況も作られるようです(情報元はここから)。まあ、体液量が増えるから血圧が上がるという人は、見られませんが。

たしかに、ボディービルダーの方達の高血圧は、交感神経や心機能の増加、血管の拡張作用の減少が主な原因であると思います。

肥満者が筋トレに目覚め、身体が引き締まると、とことんやり込むという人が多いようですが、過度な筋トレをすると血圧が高くなるようです。

肥満者は、有酸素運動で中性脂肪を落とし、体重を減少させる方が良いと思います(肥満者に限ったことではないですが)。筋トレについては、好きな運動に取り組んで、勝手に筋肉がつく程度で良いのではないでしょうか。
私は、過度な筋肉がつくと身体が硬くなるので、柔軟性が失われ、関節や筋肉の機能を十分に発揮することが出来ず、本来の運動機能は低下するのではないかと考えているくらいです。プロ野球選手のイチローも筋トレをしないことで有名でしたね。

話はそれましたが、では、高血圧とはどういう状態か、についてまとめてみます。
一言でいえば、日常的に血圧が高くてもめまい、頭痛、肩こりなどの自覚症状がなければ、高血圧ではないと考えて良いと思います。
しかしながら、勘違いしないで頂きたいのは、本来の血圧よりも高いのであれば、血管、心臓、腎臓、そして脳などに負担はかかっているのですから、食生活や生活習慣、ストレスを改善し、本来の血圧まで血圧は下げた方が良いです。

それでは、本来の血圧とは何か。
その人個人に適切な血圧のことであり、血圧を上げる要因が無ければ示すであろう血圧のことです。
食生活であれば、お酒は飲まない、糖質制限しない、減塩しない(食べ過ぎなければ)、水分補給をこまめに行う(1.5L以上)、食品添加物(外食やコンビニエンスストアの弁当を食べないくらいで良いです。食べなければいけない時は、食べても良いやという感じで。)や炭酸飲料(味付きの炭酸飲料は飲まない方がいいです。)はなるべく避ける。後は、気にせずなんでも食べる。

次に、生活環境であれば、タバコは吸わない、酸素をたくさん吸う(ゆっくり吸って、ゆっくり吐くなど。出来れば、森や山に漂う綺麗な酸素の方が良いです。)、体を脱力する、肥満者であれば有酸素運動も積極的に行う、など。

最後に、ストレスを溜めない。ストレスを毎日発散する。
ストレスは、どうしても毎日受けてしまいます。そして、残念ながら、多くの人がストレスの発散方法を間違って行っています。
飲酒、喫煙、過食、快楽(淫乱物や異性の罪など)、享楽(テレビ、ゲーム、パチンコ、競馬、競輪、競艇、漫画、映画など)、夜更かしなどのいずれかを行っても、ストレスは解消されません。どうしても、「信仰」による神様の愛が必要になります。

このように、食生活や生活習慣を改善し、かつ、ストレス解消した時の血圧が、あなたの本来の血圧となります。

高齢者であれば、このような食生活や生活習慣を行い、ストレスを信仰によって解消しても医学的に血圧が高いという人もいるでしょう。しかしながら、症状がなければそれがあなたの本来の血圧と考えるべきです。
高齢者の方は、脳機能の低下に伴う自律神経のバランスの乱れ、呼吸機能抑制による体内酸素濃度低下、心機能低下、血管の形態学的変化(血管が細くなるなど)などの要因によって血圧はどうしても高くなります。

また、高血圧を薬物治療するか否かですが、症状がなければ薬物 治療は必要ない、というのが私の意見です。
生活習慣病に限らず、外科的、感染症などの緊急性を要しない治療の必要性はあまり感じられません。風邪や痛み、花粉症、体のかゆみなど日常生活に支障がでるものであれば、薬を飲んだ方が良いと思います。

しかしながら、「死んだら終わり。」という間違った死生観が、高血圧に限らず過度の治療を引き起こしている原因であると思います。
死んだら終わりだから、無理矢理にでも平均寿命を伸ばそうとする。健康寿命が短くなっても、平均寿命を伸ばそうとする(平均寿命と健康寿命についてはこちらをどうぞ)。
そのような間違った考えが、不必要な治療に誘導されている原因はないでしょうか?

「死んだら終わり。」ではなく、「死んでからが本当の生活が始まる。」ということを知らなければ、不必要な治療を求める人達は増えていくことでしょう。

因みに、降圧剤(高血圧の薬)と認知症予防の関連については明らかになっておらず、降圧剤が認知症にするというデータもないとのこと。
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高血圧が脳血管性認知症の危険因子の一つである、ということは他の研究でも明らかにされていますが、一方で「高血圧に対しての降圧剤を用いた治療によって認知症を有意に予防できるのか」「降圧剤の種類によって認知症予防に差があるのか」「どのくらいの血圧に保てば認知症を予防できるのか」というデータについてはまだ出ていないため、現在も研究および議論が続けられています。
近年、「降圧剤によって認知症を発症した」という一部報道もありますが、明確に降圧剤を内服したことで認知症を発症した、という明確なデータが提示されていないため、現時点での信ぴょう性は低くなっています。
血圧は急激にコントロールしてしまうと、血流が弱くなることでふらつきや立ちくらみなどの症状が起こるため、現在は定期的に更新されている「高血圧治療ガイドライン」などに従って、進めていくことが奨励されています。
特に高齢者の場合高血圧以外にも様々な基礎疾患を抱えていることも多いため、血圧をコントロールすることは認知症を予防するという観点以外に、他の病気と血圧の関係を注意深く観察した上で、より慎重な薬によるコントロールおよび経過観察が重要となります。
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高血圧が脳血管性認知症の危険因子の一つであることが示されているが、降圧剤が認知症予防になるデータが出ていないというのが矛盾しているように思えます。
しかしながら、降圧剤であるアムロジピンの添付文書には錐体外路症状を引き起こすと明記されています。
ーー(引用はここから、その他の副作用の精神・神経系より)ーー
眩暈・ふらつき,頭痛・頭重,眠気,振戦,末梢神経障害,気分動揺,不眠,錐体外路症状
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錐体外路症状とは、パーキンソン病で見られる症状であることを書き加えておきます。

矛盾している高血圧の薬物治療ですが、それを行うか行わないかは自己責任でお願いします。

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